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帰責性

ebisawatakeshi

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 表意者に責めに帰すべき事由の有無、有る場合におけるその程度の大小という点から、皆さんの感覚で、次のアからカを3つのグループに分けてみて下さい。

 ア 制限行為能力者
 イ 心裡留保
 ウ 通謀虚偽表示
 エ 錯誤
 オ 詐欺
 カ 強迫

 第1グループ(責めに帰すべき事由があり、その程度が大きい)
  イ 心裡留保、ウ 通謀虚偽表示

 第2グループ(責めに帰すべき事由があると言えるが、その程度は小さい)
  エ 錯誤、 オ 詐欺

 第3グループ(責めに帰すべき事由はない)
  ア 制限行為能力者、 カ 強迫

 多くの方が上記のように分けたのではないでしょうか。

 第1グループは、帰責性が強いので、善意であれば過失のある第三者にも、無効を対抗することができません。
 通謀虚偽表示については、従来から民法(以下、条文はすべて民法です)94条2項にその旨の規定がありました。
 心裡留保には、その旨の規定がなく、判例によって94条2項を類推適用するものとされていましたが、今回の改正で93条2項が新設され、明文化されました。

 第2グループは、第1グループに比べて表意者の帰責性が弱いので、善意でかつ過失のない第三者には取消しを対抗できません。
 改正前の錯誤無効は、善意の第三者にも対抗できるとされており、一方詐欺取消しは、過失があっても善意の第三者には対抗することができないとされていました。
 今回の改正で、錯誤が取消しの対象となるとともに、その取消しは、善意でかつ過失のない第三者に対抗することができない旨の規定が、95条4項に設けられました。
 詐欺については、96条3項が改められ、単なる善意ではなく、過失のない第三者には取消しを対抗できないことになりました。

 第3グループは、帰責性のない表意者を保護する必要から、善意の第三者にも取消しを対抗することができます。

 非常にバランスの良い内容になったと思います。

 改正前の民法を勉強している方は、第2グループについて変更があったと認識して、試験対策をして下さい。

 190823 帰責性【画像】
 暑さは続いていますが、海の表情は夏の終わりを告げています。

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