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贓物牙保罪

ebisawatakeshi

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 なんの罪かお分かりですか。
 
 獲物に貪りつく、狂暴な肉食獣が犯す罪?

 この罪は、平成7年に現代語化されて今は「盗品等有償処分あっせん罪」(刑法256条2項)となっています。
 贓物 → 盗品等
 牙保 → 有償処分のあっせん


 横領罪(刑法252条)に関する、平成20年の刑法の問題です(第27問ア)。
 「Aは、Bから公務員Cに対して賄賂として渡すように頼まれた現金を、Cに渡さず自分で使い込んだ。この場合、Aには横領罪が成立する。」

 昭和23年の最高裁の判決においては、不法原因給付の目的である物について、給付者が返還請求することができるか否かを問わず、当該物は占有者にとって「他人の者」であるとして、設問のような事例において横領罪を認めています。
 この判例を根拠に、上記過去問を「正しい」ものとしています。
 
 しかし、その後の民事の判例において、民法708条によって、不法な原因により給付した物の返還を請求できなくなったときは、その反射的効果として当該物の所有権が給付を受けた者に帰属すると判断されました(最判昭45•10•21)。

 横領罪の保護法益は、所有権その他の本権であるところ、上記昭和45年の判例によれば、不法原因給付の受給者が、委託された物を委託目的以外に処分しても、もはや所有権の侵害を認めることはできないことになります。

 私が気になるのは、平成20年の司法書士試験問題を作った人が民法の判例との関係から、昭和23年判例の問題点を考慮して出題したのかということです。
 まさか、試験委員を務める人ですから、この問題点を知らなかったことはないと思いますが。
もし、知らなかったというのであれば驚きです(いや、本当は大して驚きはしませんが)。

 190326 贓物牙保【画像】
 梅は、長い期間楽しむことができますね。


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